リラックスしないと食べたことにならない~自律神経と腸~【分子栄養アドバイザーによる大人のイキイキ腸活通信vol16】

あなたは、リラックスした状態で、食事をとっていますか? それとも、余裕のない状態で食べている?(例えば、仕事のことを忙しく考えながら、時間に追われながら、子どもにイライラしながら。)
結論から言います! ぜひ、出来るだけリラックスした状態で食べてください!
なぜなら、私たちの体は、緊張状態では消化吸収が出来ないように出来ているからです。そして、未消化の食べ物は有害だからです。

Contents

自律神経(交感神経と副交感神経)

私たちの体には、意思と無関係に、生命を維持するシステムが組み込まれています。心臓を動かしたり、体温を保ったりする仕組みのことです。これを、自律神経といいます。


自律神経には、交感神経と副交感神経の2種類があります。この2つの神経系は、アクセルとブレーキのように、反対の役割を果たしています。リラックスしている時には副交感神経系が、一方、緊張状態では
交感神経系が、活発に働いています。

胃腸は副交感神経系の支配下にある

胃や腸などの消化器官は、副交感神経系の支配下にあります。つまり、リラックス(副交感神経系が優位)状態で、働くものなのです。ですから、緊張(交感神経が優位)状態で食事をしても、うまく消化吸収
できません。

あなたの自律神経バランスは?

自律神経のバランスが崩れている人によく見られるお悩みは、気温差に敏感、手足の冷え、冷や汗、眠りが浅い、お腹がすかない、めまいや耳鳴り、メンタルの不調、ストレスが多い、生活が不規則、胃腸の調子が悪いなど。当てはまるものが複数ある場合は、自律神経バランスが崩れているかもしれません。


血液データから、分子栄養学的に推測する場合は、好中球(Neutro)50%台、リンパ球(Lympho)30%台を基準値(理想値)とします。好中球は交感神経の働きが、リンパ球は副交感神経の働きが活発になったら増えます。例えば、好中球が60%台の場合は、交感神経の働きが過剰かも、と考えます(ただし、好中球は細菌感染などでも増えるので、一概には言えません)。

未消化の食べ物は、炎症を引き起こす

胃腸の働きが悪い状態で食べたものは、一部が消化吸収され、一部は未消化のまま、腸に到達します。未消化物は、本来吸収されませんが、腸のバリア機能が低下している場合は、体内に入ってきて、その異物に対して、免疫が働きます(炎症)。

もし、あなたが花粉症やアレルギーやアトピーなどの自己免疫疾患に悩んでいる場合、腸のバリア機能が低下している可能性が大いにあります。また、小麦や加工食品の摂取、アルコールの常飲も、腸のバリア機能を低下させます(Nutrients. 2019 Nov; 11(11): 2714.)。 個人的には、ほとんどの人の腸バリアは、低下しているだろうと考えています。多くの人が、小麦や加工食品を日常的に摂っているからです。だから、未消化のものは誰の腸にも入れたくない、食事はしっかり消化して欲しい!是非リラックスして食事を摂って下さいね。

この記事を書いた人

table project代表 分子栄養アドバイザー 
夏木彩早 
公式ラインはこちら>>

九州大学卒業。臨床分子栄養医学研究会認定指導カウンセラー。長年のニキビや腸過敏で悩み、健康食を研究しまくった末、分子栄養学に出会う。「体調不良に邪魔されず、自分らしく生きる人」を増やすべく、2018年に起業。延べ500名に、科学的な健康食を伝えてきた。現在は、分子栄養学をベースに考案した「個人差食事メソッド」を使い、不調に悩む女性や、専門家向けの講座を運営。天神ホリスティックビューティークリニックでの栄養指導等もおこなっている。