食物繊維は、どのくらい摂れば良い?【分子栄養アドバイザーによる大人のイキイキ腸活通信vol10】

食物繊維は、腸内良性菌(善玉菌)の餌になります。


腸内に良性菌の餌が沢山あれば、良性菌は増え、元気に仕事をしてくれます。反対に、餌が少ないと、数が減ってしまいます。

この餌、どこから来ているか?


私たちの食事から、きています。だから当然、食べ物が変わると、腸内環境も変わります。

自分の口に入れるものを変えるだけで、腸内環境を変えられるって、すごくオイシイ話だと思いません?


確実に報われる努力って、なかなか無いです! しかも、他の人を巻き込まずに自己完結できることなので、実行しやすい! ストレスまみれでも、仕事を辞めたり、人間関係を変えたりするのは、結構勇気が要りますが、自分が食べるものを変えるのは、比較的簡単です。

では、良性菌の餌である食物繊維、どのくらいの量摂れば良いのか?
厚労省が食事摂取基準で定める一日あたりの目標量(2020年版)は、男性で20グラム前後、女性は17グラム前後です。
ただ、これは理想値というよりも、実現可能そうな値ということで、定められています。


日本人(18歳以上)が一日に摂取している量は13.7 グラム(中央値)とかなり低め(平成 28 年国民健康・栄養調査)。参考とされたアメリカ・カナダの食事摂取基準では、成人の理想量は24グラム/日ですが、日本人の現状を踏まえるとそれは無理そうなので、前述の値に落ち着いた感じです(日本人の食事摂取基準(2020年版))。


元気な人はこのくらいの量を目安に摂れば良さそうです。

でも、もしあなたが、腸の不調(排便回数が少ない、軟便、便の臭いが強いなど)を抱えている場合は、腸内悪性菌が増えている可能性が高いので、一時的に、通常「以上」の量が必要かもしれません。
※いきなり量を増やすと、ガスが増えたり、便が柔らかくなることもあるので、もし増やす場合は、徐々に増やすのが良さそうです。
 
腸の不調がある方に、水溶性食物繊維を摂取させたところ、不調が改善したという報告は沢山あります。
例えば、便秘の成人が、一日20グラムの水溶性食物繊維を摂取したところ、排便回数が増えた(Eur J Clin Nutr 63, 1277–1289 (2009).)。


良性菌の餌を増やすことで、便通が良くなるだけでなく、「胃腸炎や感染症のリスクや、アトピー性湿疹などのアレルギー症状の発生率が減った(Br J Nutr. 2010 Aug;104 Suppl 2:S1-63.)」など、免疫改善にも繋がります。免疫改善=風邪をひきにくくなる、そして免疫の暴走(アレルギー系の症状)を軽減するということです。

食物繊維は、食事から摂っても良いし、サプリメントで摂ってもOK。自分が続けやすい方法で、続けてみてください。


ウイルスや花粉に悩まされる今の時期こそ、頑張り時です! お互い腸活頑張りましょう!

この記事を書いた人

table project代表 分子栄養アドバイザー 
夏木彩早 
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九州大学卒業。臨床分子栄養医学研究会認定指導カウンセラー。長年のニキビや腸過敏で悩み、健康食を研究しまくった末、分子栄養学に出会う。「体調不良に邪魔されず、自分らしく生きる人」を増やすべく、2018年に起業。延べ500名に、科学的な健康食を伝えてきた。現在は、分子栄養学をベースに考案した「個人差食事メソッド」を使い、不調に悩む女性や、専門家向けの講座を運営。天神ホリスティックビューティークリニックでの栄養指導等もおこなっている。