イライラ、落ち着きが無い、集中できない、眠れない方へ【分子栄養アドバイザーによる大人のイキイキ腸活通信vol6】

明けましておめでとうございます。沢山の方が同時に気持ちを新たにする一月。寒ささえも清々しくて、気持ちがすっきりするから、私の大好きな月です。


さて、あなたは今年をどんな一年にしたいですか? 何か目標は立てられましたか?


「新年の目標」を立てっ放しにしないための私のこだわりは、達成に必要なリソースを明らかにすること。例えば、食物繊維を毎日飲む、と決めた場合、必要なリソースは何でしょう?

繊維、水、コップ、それらを得るための時間とお金、飲む行動などです。ではそれらをどうやって確保するか? 例えば繊維を買うお金は、どれだけ必要で、どこから持ってくるのか。そのために必要なことは……こうやって、目標達成に必要なことをどんどん具体的にしていきます。具体的になれば、あとはやるだけ!


しかし、分かっていても行動出来ない場合があります。多いのは、心身の不調が足を引っ張っているパターン。例えば私は、腸過敏性症候群の頃、大きな方の粗相をしてしまわないかが常に気がかりで、他のことに興味が持てなかったし、少しでも負担になりそうなことは全て避けていました。

今私がカウンセリングでお会いする方達を見ても、心身の不調のせいで、やりたいことにブレーキが掛かっている方は本当に多い。皆さんの周りにもいらっしゃるかもしれませんね。

さて、心身の不調がある方の多くは腸内環境が悪いです。そしてそれが、不調の一因となっています。


特に、「心」と腸内環境の関係は強いので、すぐにイライラしてしまう、鬱っぽい、情緒不安定、子どもの落ち着きが無い、やる気がでない、などにお悩みの場合、腸内環境の改善が、良い対策になる可能性が大いにあります。

心と腸は、例えば次のように関連しています。

  • 腸で作られたセロトニンの一部が、(迷走神経を介して)脳へ伝わり、幸せを感じさせてくれます。(体内にあるセロトニンの90%は腸で作られ、その大部分は、腸の蠕動運動に使われる。)
  • ストレスに弱く、アレルギー、不安行動や多動が見られるマウスに、ビフィズス菌を投与することで、症状が改善。(Neurogastroenterol Motil. 2011 Dec;23(12):1132-9.)
  • ビフィズス菌が、ストレスへの耐性を強める(亢進したHPA応答(ストレスに反応する仕組み)を抑制する)。(J Physiol. 2004 Jul 1;558(Pt1):263-275)

また、ストレス自体が、腸内環境を悪くすることも分かっています。(ヒトの実験で、精神的ストレスにより、良性菌が減少、かつ悪性菌が増殖。(福岡医誌 100(9):298―304,2009)) あなたもストレスでお腹が痛くなったことはありませんか? ストレスがかかる多忙な時期などには、腸の状態を保つための栄養を普段よりも多く摂るのがお勧めです。

ちなみに、セロトニンは、メラトニンという眠りを促すホルモンに変換されます。だから、セロトニンが少ないと、幸せを感じられないだけでなく、不眠などの睡眠障害まで出てきます。

分子栄養(オーソモレキュラー)療法は精神疾患の治療に取り入れられることも多い方法。それだけ栄養(栄養を吸収する腸)と心は繋がっているということなのです。

この記事を書いた人

table project代表 分子栄養アドバイザー 
夏木彩早 
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九州大学卒業。臨床分子栄養医学研究会認定指導カウンセラー。長年のニキビや腸過敏で悩み、健康食を研究しまくった末、分子栄養学に出会う。「体調不良に邪魔されず、自分らしく生きる人」を増やすべく、2018年に起業。延べ500名に、科学的な健康食を伝えてきた。現在は、分子栄養学をベースに考案した「個人差食事メソッド」を使い、不調に悩む女性や、専門家向けの講座を運営。天神ホリスティックビューティークリニックでの栄養指導等もおこなっている。