食物繊維は、食欲と食後血糖を抑え代謝を促進する、ダイエットの味方!【分子栄養アドバイザーによる大人のイキイキ腸活通信vol3】

あなたはご自分のBMIをご存知ですか?

BMIは、体重(kg)÷(身長(m)の2乗)で計算でき、日本肥満学会は25以上を肥満と定めています。

すっきりした体型は、見た目の印象や自分の気持ちまで上げてくれ、健康状態を推測する手掛かりにもなるものです。

肥満は、糖尿病・高血圧・動脈硬化、そして乳がんなどの病気の罹患率や、死亡リスクを上げるからです。

寿命との関連をみると、国立がん研究センターが、中年期(調査開始時40~59歳)の日本人男女約4万人を1990年から約10年間追跡調査したコホート研究で、肥満は日本人の早死の一因であることが報告されています。

BMIは低すぎても高すぎても死亡リスクが上がりますが、最も死亡リスクが低いのは、男性でBMI23~27、女性でBMI19~25辺りの方。

また、病気との関連をみると、糖尿病と高血圧の患者の割合は、痩せている程、少ないという結果でした。(Int J Obes Relat Metab Disord. 2002 Apr;26(4):529-37.)

健康に適正な体型を保ちたい方にとって、食物繊維はとても有用です。

①食物繊維は満腹感を高める

食物繊維は、保水性や粘性があり消化管の中に長く留まることで、満腹感を高めます。(J Nutr Metab. 2019; 2019: 4983657.)しかも、人間の体で消化できないので、繊維自体のカロリーは低い。

②水溶性食物繊維は、食後の血糖値上昇を緩やかにし、インスリン感受性を高める

これは、ゲル化した繊維が糖と結合し糖の吸収を妨げること、胃腸をゆっくり通過すること、また骨格筋や脂肪細胞におけるGLUT4の発現を増加させるなどして末梢組織へのグルコース取込みを促進すること等によるものと考えられます。(Gastroenterology. 2010 Jan; 138(1): 65–72.e1-2.)

③腸内良性菌は食物繊維を分解し、ビタミンB群を産生する。B群は、糖質・脂質・タンパク質のエネルギー代謝を促進

正常な腸内フローラは、B1、B2、葉酸、ナイアシン、パントテン酸、B6、B12、ビオチンと、ビタミンKを合成します。(Eur J Nutr. 2018; 57(1): 1–24.)

なお、成人の一日摂取量に対して、良性菌のビタミン産生が寄与する割合は、 B12で31%、葉酸で37%、ナイアシン27%、B6は86%にも及びます。(Front Genet. 2015 Apr 20;6:148.)

このように、食物繊維は多くの点でダイエットに最適な栄養素です。

では毎日どの程度必要かというと、日本人の食事摂取基準で定められた1日あたりの目安量は、成人男性20g、成人女性18g。

しかし、日本人の平均摂取量は14.4g/日と不足している方が多いのが現状です(平成29年国民健康・栄養調査)。

目安量くらいは毎日摂るよう意識して、みんなで贅肉も便もすっきりさせましょう♪

この記事を書いた人

table project代表 分子栄養アドバイザー 
夏木彩早 
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九州大学卒業。臨床分子栄養医学研究会認定指導カウンセラー。長年のニキビや腸過敏で悩み、健康食を研究しまくった末、分子栄養学に出会う。「体調不良に邪魔されず、自分らしく生きる人」を増やすべく、2018年に起業。延べ500名に、科学的な健康食を伝えてきた。現在は、分子栄養学をベースに考案した「個人差食事メソッド」を使い、不調に悩む女性や、専門家向けの講座を運営。天神ホリスティックビューティークリニックでの栄養指導等もおこなっている。