世界にひとつだけの腸内フローラ【分子栄養アドバイザーによる大人のイキイキ腸活通信vol25】

21世紀は“腸の時代”と言われています。21世紀初めにゲノム解析技術が進展したことによって、腸内にどんな種類の細菌がどの程度の量存在しているのかが明らかになるなど、腸に関する情報が一気に増えたからです。


腸内フローラという言葉は、今や誰でも聞いたことがあるでしょう。

腸内にいる沢山の細菌たちを指す言葉です。この腸内フローラは人によって違うということを、あなたはご存知でしたか?

つまり、あなたにはあなた特有のフローラがあるということ! だから“あなた自身の”腸内フローラを育てるのが、良い腸活のポイントです。

なぜ腸内フローラは一人一人違う?


あなたの生まれ育った環境の影響を受けるためです。

例えば、あなたを妊娠していた時のお母さまの食事や、出産方法(経膣で生まれたのか、帝王切開で生まれたのか)によって腸内フローラは変わりますから、生まれた瞬間から既に、個人差があるのです。

さらに、子供時代にどれだけ菌に触れてきたか、も関係があると言われています。

また、これまでの生活習慣も、腸内フローラに大きな影響を与えます。例えば食事やストレスによって、腸内フローラは変わるということです。

今から赤ちゃん時代に戻るのは難しいですが、食事やストレス管理なら、今からでも出来ますね。良い腸内フローラを手に入れるチャンスは、誰もが持っています!

「一人一人違う」とは、具体的にどういうことか? 


腸内にいる菌の種類や数には個人差がある、ということです。


このコラムを読んでいるあなたなら、腸の中に、善玉菌と悪玉菌と日和見菌という3種類の菌がいることはご存知でしょう。

これは、約100兆個 1000種類の菌たちを「ヒトの味方か、敵か、それ以外か」という基準でざっくり3つに分けたものです。詳しく見てみると、菌には沢山の種類があるのですから、その組み合わせは無限なのです。

善玉菌が入った食品やサプリメントを摂るのは?


腸内環境を整えるための一つの方法として、例えば乳酸菌の豊富なキムチなどの食品や、酪酸菌サプリメントなどを摂ることもできます(*乳酸菌や酪酸菌は、善玉菌の一種)。


ただ、あなたの腸内フローラはあなた固有のものであることは忘れないでください! 善玉菌を外から入れるだけでなく、自分の腸内にいる善玉菌を育てる必要があります。

善玉菌を育てる方法は、善玉菌のエサになる食物繊維やオリゴ糖などを日常的に摂ること。

食物繊維の目安量は一日20g以上です。これらのエサを使って善玉菌は増え、さらに腸を善玉菌の繁殖しやすい弱酸性に整えます(短鎖脂肪酸の生成により)。

ちなみに今は、自分の腸内フローラを調べる検査も、数万円で受けられます。気になる方は一度試してみては?

この記事を書いた人

table project代表 分子栄養アドバイザー 
夏木彩早 
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九州大学卒業。臨床分子栄養医学研究会認定指導カウンセラー。長年のニキビや腸過敏で悩み、健康食を研究しまくった末、分子栄養学に出会う。「体調不良に邪魔されず、自分らしく生きる人」を増やすべく、2018年に起業。延べ500名に、科学的な健康食を伝えてきた。現在は、分子栄養学をベースに考案した「個人差食事メソッド」を使い、不調に悩む女性や、専門家向けの講座を運営。天神ホリスティックビューティークリニックでの栄養指導等もおこなっている。