便秘ならたくさん噛むべき2つの理由【分子栄養アドバイザーによる大人のイキイキ腸活通信vol28】
あなたは便秘に悩んだことはありますか? 「いいえ!便は毎日出ています!」という方にも、もう少し質問させてください。
バナナより細いひょろひょろとした便が出ていたり、トイレ後もお腹に便が残っている感覚があったり、ガスが多かったり、排便に時間がかかったりはしませんか?
もし思い当たることが一つでもあるなら、あなたは“隠れ便秘”かも。毎日便が出ている方であっても、十分な量の便が出ておらず、実は腸内環境が悪いということがよくあります。
今号では、便秘や隠れ便秘の方、また便秘でなくても美腸を目指している方に向けて、今日から使える簡単な腸ケア方法をお伝えします!
腸内環境を良くしようと思ったら、腸に良い食物繊維などを思い浮かべるのが一般的ですが、今日お勧めしたいのはよく噛むことです。
口と腸はまったく異なる器官ですが、よく噛むことはなぜ腸に良いのでしょうか?
便秘ならたくさん噛むべき理由①噛むことで消化器官が動き出す
よく噛むことが腸に良い理由の一つ目は、噛むことで消化のスイッチが入るからです。
ガムを噛むと唾液が出てくるのは、あなたも経験したことがあるでしょう。
唾液が出て消化が始まると、ドミノ倒しのようにその先の消化器官(胃腸)も動き出します。
実際、ガムを噛むことは、開腹手術後の腸機能を早く回復させる効果もあるそうです(BJOG. 2014 Jun;121(7):787-92.)。
便秘ならたくさん噛むべき理由②胃腸の負担を減らす
また、よく噛んで食べものを物理的に小さくすることは、胃腸における消化の負担を減らすことにもなります。
もし、あまり噛まず大きな塊のままで食べものを飲み込んでしまうと、胃腸はふだん以上に働いて消化しないといけません。
前の係が仕事をさぼった分は、次の係で尻ぬぐいをするわけです。しかし胃腸には、歯のような構造はありません。
代わりに消化液で食べものを溶かしますが、時間がかかったり消化が不十分だったりします。こうして消化不良が起こり、便秘や下痢に繋がっていくのです。
反対に、十分に噛んでから飲み込むと、次の胃腸は自分たちの仕事に集中することができ、スムーズに消化が進みます。
口と腸は、消化という仕事を共同で行う同僚のような関係なんですね。だから、噛む回数を増やすなど消化力アップの方策で、便秘が改善することがあるのです。
噛むことの何が良いって、副作用が無いことと、自分の意志でできること!
腸を、自分の意志で活発に動かすことは残念ながらできませんが、噛む回数なら自分の意志で増やせますよね。
消化器の中で唯一自分のコントロール下にあるのが、噛むことなんです。
よく噛むコツは?
よく噛むコツは、
- ながら食いをしない(今食べているものに集中する)
- ひと口20回以上数えて噛む
- ひと口ごとに箸を置く
- 少量ずつ口に入れる
- 麺類を避ける
- 早食い防止用の箸(痩せ箸)を使う
です。
歯や顎に異常があって噛みづらい方は、治療しましょう。
いつもの腸ケアに加えて、よく噛むことをぜひ意識してみてくださいね! 便秘対策になるだけでなく食べ過ぎ防止にもなりますよ。
この記事を書いた人
table project代表 分子栄養アドバイザー
夏木彩早 (公式ラインはこちら>>)
九州大学卒業。臨床分子栄養医学研究会認定指導カウンセラー。長年のニキビや腸過敏で悩み、健康食を研究しまくった末、分子栄養学に出会う。「体調不良に邪魔されず、自分らしく生きる人」を増やすべく、2018年に起業。延べ500名に、科学的な健康食を伝えてきた。現在は、分子栄養学をベースに考案した「個人差食事メソッド」を使い、不調に悩む女性や、専門家向けの講座を運営。天神ホリスティックビューティークリニックでの栄養指導等もおこなっている。