油もので胃もたれ、コレステロール低値は胆汁酸不足!【分子栄養アドバイザーによる大人のイキイキ腸活通信vol11】

水溶性食物繊維には、古くなった胆汁酸を捨てることで、新しい胆汁酸の産生を促すという働きがあります。特に、油もの好きな方、油もので胃もたれや下痢しちゃう方、コレステロール値低めの方は、今日の内容、絶対読んで欲しい!

Contents

胆汁酸って何?

胆汁の主成分です。胆汁とは、脂質の消化を助けるもの。脂質は水に溶けないので、そのままの形では吸収できません。そこで、油を水に溶かす作用のある胆汁酸が使われるのです。ということは、胆汁酸が十分に無いと、脂質や脂溶性ビタミンをどれだけ口に入れても、体には吸収できず不足してしまう。口に入れたら入れただけ、消化不良を起こしてしまう。

あなたの胆汁、足りてる?


胆汁は、コレステロールを材料に、肝臓で作られています。
ですから、コレステロール値が低めの方は、材料不足で、胆汁が十分に作られていない可能性があります。
ちなみに、コレステロールが十分に作れないのは、肝機能が落ちている方、エネルギー産生に障害がある(寝てもなかなか疲れが取れないような方)、栄養不足の方などです。

他に、胆汁が十分に出ていない可能性が考えられるのは、油ものを食べて、消化不良を起こす方(胃もたれや軟便など)や、脂質や脂溶性ビタミンの不足による不調が出ている方。

脂溶性ビタミンは、ビタミンADEKです。例えば、ビタミンAは、細胞の成長に必要なので、不足すると、細胞分裂がうまくいかなくなります。その結果、肌や粘膜系(目、喉、鼻、内臓)の不調や不妊などに繋がります。

肌や目が乾燥しやすい、鼻や喉からの風邪ひきやすい、などは不足の一つの目安になります。ビタミンDは、骨や免疫に関わるビタミンですから、不足すると、骨がスカスカになったり、免疫力が落ちたりします。

脂質は、性ホルモンや、ストレスに対応するホルモンの材料です。また、脳の固形成分のうち半分以上を構成しているのも脂質。ですから、脂質の不足は、見た目やメンタル、脳機能の不具合とも関連があります。

便通を良くすることで、二次胆汁酸の排泄も

食物繊維(水溶性も不溶性も)には、便通を良くする働きもありますね。便通の改善によって、有害な二次胆汁酸の排泄を促す、という点も良いポイントです。

二次胆汁酸は、大腸ガンの危険因子になる有害物質。脂質消化のために出した胆汁の一部が、大腸で腸内細菌に代謝された結果、作られます。つまり、胆汁酸は大事だけど、その後に出来る二次胆汁酸は有害だから、それは便で出そう、ということです。

 「新しい胆汁酸の産生」と「要らない二次胆汁酸の排泄」の両方に関係する食物繊維は、脂質の消化を促したい方の良い味方になってくれるはずです!

この記事を書いた人

table project代表 分子栄養アドバイザー 
夏木彩早 
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九州大学卒業。臨床分子栄養医学研究会認定指導カウンセラー。長年のニキビや腸過敏で悩み、健康食を研究しまくった末、分子栄養学に出会う。「体調不良に邪魔されず、自分らしく生きる人」を増やすべく、2018年に起業。延べ500名に、科学的な健康食を伝えてきた。現在は、分子栄養学をベースに考案した「個人差食事メソッド」を使い、不調に悩む女性や、専門家向けの講座を運営。天神ホリスティックビューティークリニックでの栄養指導等もおこなっている。