甘いものがやめられない方へ~砂糖との上手な付き合いかた~【分子栄養アドバイザーによる大人のイキイキ腸活通信vol29】

吐く息が白くなり、美味しいケーキやチョコレートの季節になってきましたね。

栄養カウンセリングをしていると、面白いことにほぼ全員が「甘いもの(砂糖)は体に悪い」と考えていらっしゃる。さらに「砂糖は控えたい、だけどなかなか止めらません」までが大体セット。

こんなにも悪者扱いされながら、その一方でこんなにも人を虜にするとは、砂糖ってなんてセクシーな存在なんだ!と感動するのですが、とは言えやっぱり砂糖は体に毒なので減らしたほうがいいです。

砂糖の害は多岐に渡ります。太るし、肌は荒れるし、見た目も血管も細胞も老化する。眠りの質も悪くなる。イライラしたり悲しくなったりと、気持ちがジェットコースターのように上がったり下がったりして振り回されるのも砂糖によるもの。

このような反応が起こる理由の一つは、砂糖が腸内の悪玉菌を増やすからです。たとえば、多くの砂糖をマウスに与えると、悪玉菌が増えその結果、大腸炎を引き起こすという報告はたくさんあります(Cells. 2020 Dec 16;9(12):2701.)(Sci Transl Med. 2020 Oct 28;12(567) )。

増えた悪玉菌は、腸粘膜に穴をあけたり、免疫システムを狂わせてしまうのです。また、砂糖の過剰摂取は代謝も狂わせます(Nutrients. 2020 May; 12(5): 1348.) から、体中の機能に異常が出るのです。

ここで問題になるのは、お米や芋などの糖質ではなく砂糖です。白いものも茶色いものも、どちらも漏れなく。

 砂糖だけでなく人工甘味料も、腸内環境を悪くすることで、糖質代謝などを狂わせます(Nature. 2014 Oct 9;514(7521):181-6.)。つまり、肥満や糖尿病などのリスクを上げるということ。

人工的に作った甘味料は、カロリーゼロなのに砂糖の200~1000倍の甘さなので、ダイエット中の方には神のように見えるものです。が、前述のとおり代謝を悪くするため、これらを食べるとむしろ太りやすい体になってしまいます。

特に避けたいのは、サッカリン、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムK。

人工甘味料のなかには、ガンや精神疾患などとの関連を指摘されているものもあるため、私は砂糖以上に危険だと考えています。たまに甘いものを食べるなら、人工甘味料ではなく自然なお砂糖で作ったものの方がベターでしょう。


砂糖や人工甘味料を多く含む食品は、お菓子やジュース、スポーツドリンク、エナジードリンク、コーヒー(ブラック以外)、ドレッシング、レトルト食品、加工食品などです。商品の裏側の原材料名のところを見れば何が入っているか分かるので、チェックしてみてくださいね。

そして甘いものを食べたときは、いつも以上に腸をケアしましょう。砂糖によって腸内環境はどうしても悪くなるので、善玉菌を増やすものを積極的に摂るのが正解です。

この記事を書いた人

table project代表 分子栄養アドバイザー 
夏木彩早 
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九州大学卒業。臨床分子栄養医学研究会認定指導カウンセラー。長年のニキビや腸過敏で悩み、健康食を研究しまくった末、分子栄養学に出会う。「体調不良に邪魔されず、自分らしく生きる人」を増やすべく、2018年に起業。延べ500名に、科学的な健康食を伝えてきた。現在は、分子栄養学をベースに考案した「個人差食事メソッド」を使い、不調に悩む女性や、専門家向けの講座を運営。天神ホリスティックビューティークリニックでの栄養指導等もおこなっている。