腸に空いた穴が、全身をダメにする理由【分子栄養アドバイザーによる大人のイキイキ腸活通信vol26】

「病気ではないけど、元気ではない」「心身面で気になる不調があって、仕事や学業、人間関係などに支障がでている」。こんな方が、今すごく多いように感じます。


例えば、肌荒れや老化、慢性的な疲れやすさ、花粉やハウスダストで起こるムズムズ、関節の痛み、胃もたれ、便秘、痩せにくくなった、反対になかなか体重が増えないなど。あなた自身を含めあなたの周りでも、このような不快な不調に悩んでいる方が一人以上はいるのではないでしょうか?

こういった不快な不調の背景にあり、場合によっては病気をも引き起こす要因の一つになっているのが、腸に空いた穴です。

穴といっても、腸にぽっかりと大きな穴が空いているわけではなく、腸の細胞と細胞の間に、ちょっとした隙間ができている状態です。


このほんの小さな隙間が、全身に大ダメージを与えます。なぜなら、腸は栄養を吸収する器官だから。健康な腸は、体に必要な栄養素は吸収するし、反対に体にとって有害なものは吸収しません。

ところが腸に穴が開いていると、栄養だけでなく、本来入れてはいけないものまで体に入れてしまうのです。ちなみにこの状態を、専門用語でリーキーガットと呼びます。日本語訳すると、リーキー(leaky)は“漏れる”、ガット(gut)は“腸”です。

リーキーガットで有害物が体に入ってくると、なぜ不快な不調につながるのでしょうか?

まずは、その腸の穴(炎症)を修復しようとして、栄養素やエネルギーの消耗が起こります。栄養の消耗があると、栄養不足による不調が起きやすくなります。

例えば、鉄が不足すると頭痛、集中力の低下や冷えなど。マグネシウムが不足すると筋肉がつったり、まぶたが痙攣するなど。亜鉛が不足すると妊娠しにくくなったり傷が治りにくくなるなどです。エネルギーの消耗は、疲れやすさに繋がります。


さらに、通常なら入ってこない未消化の食べ物まで体内に入ってくるので、お腹に膨満感を感じることも。
また、腸にあいた穴から入ってくる異物に、免疫システムが反応します。異物がどんどん入ってきて免疫が常に働いているという異常事態が続くと、自己免疫疾患であるアレルギーや関節炎などの引き金になり得ます。

有害物質がどんどん体に入ってくるということは、解毒器官である肝臓にも大きな負担がかかります。特に、お酒や加工食品をよく摂る場合は、普段から肝臓への負担が大きいので、リーキーガットで更に追い打ちをかけることになるでしょう。


このようにリーキーガットは全身のさまざまな不調に関係しています。リーキーガットを引き起こすのは、小麦(に含まれるグルテン)と過剰な糖質です。「いまいち本調子でない」という方はぜひ小麦と、砂糖入りのお菓子や加工食品を、1か月ほどやめてみてください。

替わりに米を主食にし、野菜などの食物繊維をしっかり摂れば、きっと変化を実感できるはずです!
してみてください。

この記事を書いた人

table project代表 分子栄養アドバイザー 
夏木彩早 
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九州大学卒業。臨床分子栄養医学研究会認定指導カウンセラー。長年のニキビや腸過敏で悩み、健康食を研究しまくった末、分子栄養学に出会う。「体調不良に邪魔されず、自分らしく生きる人」を増やすべく、2018年に起業。延べ500名に、科学的な健康食を伝えてきた。現在は、分子栄養学をベースに考案した「個人差食事メソッド」を使い、不調に悩む女性や、専門家向けの講座を運営。天神ホリスティックビューティークリニックでの栄養指導等もおこなっている。