血液データから、腸の状態を推測する方法【分子栄養アドバイザーによる大人のイキイキ腸活通信vol9】

あなたの腸は元気ですか?100点満点中、何点くらいか考えてみてください。

自分の腸の状態を正しく判定するのは、なかなか難しいですよね。他人の排便事情など知りませんから、人と比べることも出来ませんし。

では、私がどうやって他人の腸の状態を推測しているか。内視鏡などで直接、腸を診ることは出来ないので、様々な手掛かりから間接的に推測します。

腸の状態の4つの手がかり

①腸の状態の手がかりは排便習慣

便の臭い、色、形、滑らかさ、量、排便後のすっきり感、頻度

②腸の状態の手がかりは生活習慣

食べているもの、ストレスの度合い、規則的な生活かどうか

③腸の状態の手がかりは症状

免疫系がダメ(風邪をひきやすい、アレルギーや花粉症)、肌荒れ、うつっぽい、イライラ、眠りが浅い、胃もたれなど

④腸の状態の手がかりは検査

便検査、有機酸検査、遅延型アレルギー検査毛髪検査、血液検査など。

この中から今日は、血液データの使い方を一部ご紹介します。

分子栄養学での血液データの使い方

一般の医師は血液データを異常の発見に使いますが、分子栄養学では、栄養状態の手掛かりとして使います。

つまり、自分にどんな栄養が足りないか、血液データから推測するということです。腸の状態を推測したい場合は、ビタミンB群が足りているかどうかがポイントになります。

B群の多くを、腸内良性菌が作ってくれるからです。血液データで、ビタミンB群不足を示すのは、次の3つです。【ALT(GPT)がAST(GOT)に比べ、2以上低い】ビタミンB6不足。

ただし、脂肪肝の場合は、B6不足でもALT下がらない(γGTPが基準値より高ければ、脂肪肝の疑いあり)。【MCVが90以上】B12もしくは葉酸(B9)不足。

これらの不足で、赤血球が成長不良となり、MCV(赤血球の大きさ)値が高くなります。【LD(LDH)が180以下】ナイアシン(B3)不足(LDの補酵素がナイアシンだから)。

2つ以上当てはまる場合は、B群全般の不足が疑われます。(B群にはB1B2など種類があるが、相互に作用し合うため、不足するときは全体的に不足する)。

不足の原因は、腸内良性菌が少ない(B群合成量が少ない)、摂取不足、吸収不良、需要亢進など。

どれが主原因かは、他の手掛かり(上段①~④)と併せて考えますが、腸はかなり疑わしいです。

あなたも次の健康診断では、B群が足りているか、チェックしてみてくださいね。※血液データには様々な情報が含まれているため、↑ の基準だけで一概に判断は出来ません。あくまで手掛かりの一つとしてください。また医師以外、「診断」は出来ません。。

この記事を書いた人

table project代表 分子栄養アドバイザー 
夏木彩早 
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九州大学卒業。臨床分子栄養医学研究会認定指導カウンセラー。長年のニキビや腸過敏で悩み、健康食を研究しまくった末、分子栄養学に出会う。「体調不良に邪魔されず、自分らしく生きる人」を増やすべく、2018年に起業。延べ500名に、科学的な健康食を伝えてきた。現在は、分子栄養学をベースに考案した「個人差食事メソッド」を使い、不調に悩む女性や、専門家向けの講座を運営。天神ホリスティックビューティークリニックでの栄養指導等もおこなっている。